コーヒーのTVCMで遠藤周作先生が出ていますね。亡くなられてだいぶ経つと思いますが。遠藤周作先生と言えばキリスト教信者として有名です。私は無宗教というか多宗教というか……宗教の知識はありますが信心はありません。でも遠藤周作先生の作品は大好きで、何度も繰り返して読んだりします。
最近「死海のほとり」という作品を読み直しました。やっぱり何度読んでも良いです。
現代とイエスの生きていた時代を交互に書くことで、イエスがどんな人物だったのかということを炙り出します。この本でのイエスは、奇跡は起こしません。奇跡どころか、何も、何も出来ない男として書かれています。最初はメシアとして信者を得ますが、当時の人々の暮らしは厳しく、それゆえに実益をイエスに求め、イエスが奇跡を起こせないと知ると信者は減っていきました。イエスは娼婦や病気の人々と寝食を共にし、死にゆく人がいればそっと手を握り寄り添う……そういうことしか出来ませんでした。実益を求める人々の心境もよく分かりますが、私はただひたすら「愛」を説きながら生きた、ナザレの大工の息子「イエス」にとても魅かれました。彼が説いたのは究極の「愛」の形だと思います。こういう「愛」がいきていれば、世界はもっと美しくなるのではないかと思います。
もしキリスト教の信者の方が読んだら、こんなのはキリストではないと言うのかもしれません。でも一読の価値はあると思います。
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