2006年アメリカの作品。その名の通り2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロで被害にあったワールドトレードセンターを舞台にしたノンフィクション映画です。
映画は9月11日の静かに明ける夜明けのシーンから始まります。客待ちのタクシーの運転手や電車や地下鉄に乗る人々の様子は日常的な様子を表していて、まさか今から大惨事が起こることなど微塵も感じさせません。ワールドトレードセンターに向かう人々を見ながら、すでにこの後沢山の人が犠牲になることを知っている私としては複雑な心境になりました。
港湾警察の班長ジョン(ニコラス・ケイジ)はワールドトレードセンターで何か大きな災害が起きたという通報(この時はまだテロだと分かっていません)に急いでタワーに向かい舞い散るコピー用紙の中、人々を救助するために数名の部下を連れてタワーへ入ります。目に映る沢山の怪我人やタワーから非難している人々。その時バシン、バシンとタワーが嫌な音を立て崩壊します。ジョン達は崩壊に巻き込まれましたが、運良く命は取り留めていました。部下の名前を叫び安否を確認します。ほとんど真っ暗で瓦礫に埋まっている映像には自分も息苦しさを感じました。もし、自分が遺族だったらこの映画は見られなかったかもしれません。
この時になってようやく世界中にテロが起きたことが放送されます。生き埋めになっているジョン達とかけ離れた日常が交互に映されることによって、いかに彼らが非日常にいるのかが強調されているように感じました。ジョンとウィル(生き残った2名)は長い長い時間、眠ってしまわないように互いに声を掛け合いながら助けを待ちますが、閉じ込められ身動きが取れない息苦しさや不安からパニックになったりします。地上では夜になっても諦めきれない沢山の人々が、いつまた崩れて巻き込まれるかもしれない中で懸命に救助を試み、その声がジョン達に届いてギリギリの所で救出され歓喜が辺りを包みます。
病院に待機していた家族にも救助の一報がもたらされ喜びに包まれます。しかし、この病院には沢山の行方不明の家族がいて、壁にはMISSINGの張り紙が沢山覇ってありました。私が一番印象に残ったのは、この助かったウィルの家族がMISSINGの張り紙を見るシーンです。まだ助かっていない人がいるかと思うと素直に自分の家族が助かったことを喜んでいいものか……。ノンフィクションだけに胸に重いしこりが残るようなエンディングでした。
しかし、この映画はアメリカから見たテロの様子なので一方的な視線で構成されていると思います。視点が違えばその意味も違ってくると思いますが、それでも、無差別に無関係な人々を巻き込むテロは絶対あってはならないことだと考えさせられました。
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